【塾の毎日/スケジュール調整もまずは経験から。】

自分て家庭学習ができるように、計画的に取り組むようになってほしい。どうしたらできるようになるかアドバイスしてほしい、というお話を聞いたときに、いつも私が口にするのは、計画的に取り組むためには、経験とトレーニングが必要だと思うということ。

計画を立てるためには、まずは自分自身をよく知る必要がある。今の自分はどれくらいの時間は学習に集中できるか(今は30分は問題文をしっかり読む集中力があるのだけど、それを過ぎると見に入らなくなる)、自分の得意とするところと苦手とするところは何か(暗記は得意だけど、考える問題は苦手とか試験が近づくとやる気が起こるけれど、何か行事がないとやる気が起きない)、そもそも自分は何のために勉強したいと思っているのか(テストでいい点数を取ってみたい、悔しかったからこれができるようになりたいなど自分自身が今勉強する意欲の原点は何だろうか)・・・と色々と考えるべきことがある。

自分を知るためには、まずは実際に行動を起こして、やってみること。そして、そのやってみた『経験』から自分を分析して、自分に合った計画の立て方を学んでいくこと。その繰り返しを続けていくことで、自分自身で、自分の強みを生かし、弱点をカバーし、さらに自分自身の可能性を広げていくための計画を立てられるようになっていく。

子どもたちと接していると、計画を立てるのが上手な子もいます。その子供たちは大抵自分自身がどういう部分が得意で、どういう部分が苦手でとか、前にこういう風にやったらうまくいったから、という『計画を立てた理由』を話せる子が多い。つまり、今までいろいろと経験する中から学んできたことを生かしている、また生かしてみようと思うきっかけがあったからこそ。今度はそこからまたその力を伸ばしていくアドバイスをしてあげると良い。でも、今までそういうきっかけや考え方に出会うことがなかったのであれば、イチから時間をかけて実際にやってみて知り、次はどうしてみようと考える時間と機会が必要になってくる。

ついつい子どもたちの立てた計画を見ると、もっとこうしなさい、これじゃダメだと計画を修正してあげたくなるかもしれない。でも、大人から見て、どうしてその計画が足りないと思うのか、こういう部分を考えてみることもできるのではないか、その子どもたちがまだ見たことも考えたこともなかった新しい角度に視界を広げる機会を届けるのが大人の役割なのではないか。そしてそう考えると、視野を広げるためには、想像力を働かせるためには、体験や経験がないとなかなか難しい部分がある。じゃあ、こういう体験や経験の機会を作ってみよう・・・というのが私自身が生徒のためにできることのひとつだと思っていることです。

一緒に勉強してきた生徒達が、自分で家庭学習の計画を立てて『実は久々にここを復習していたらこれが分からなかったので授業で教えてほしい』とか、『これの復習ができる問題を用意してほしい』とか、『部活動やこの活動と両立しながら勉強するために、こういうふうにしたいんだけど、大丈夫か』と授業の進め方に要望が出たり。生徒達の成長を感じては、また新たな視野を広げてもらえるように、どんなアドバイスができるかな、そのアドバイスを実行したいと言ってくれた時に必要なものは何かな~と考えて色々と自分の引き出しを増やしていこうと思っています。